イノベーションは、単に新しくて派手で輝いているだけのものではない
Innovators@Symantecシリーズ
Nick Johnstonは、テクニカルディレクターとして、主にURLベースの脅威に重点を置いたSymantec Email Security.cloud製品を担当しています。
あなたの経歴と、あなたのチームが取り組んでいることについて、簡単に教えてください。
私は2005年にソフトウェアエンジニアとしてMessageLabsに入社し、同社のスパム対策サービスに携わりました。今思えば、MessageLabsはSaaSのパイオニアでした。その後、2008年にシマンテックがMessageLabsを買収しました。現在は、スパム対策エンジン、リンク追跡(電子メールから抽出されたURLについて、マルウェア、フィッシング、スパムの有無をチェックする)、テレメトリ分析プラットフォーム(当社のサービスがお客様をどのように保護しているかについて知見を提供する)を担当するチームに所属しています。
あなたのチームが開発したイノベーションのなかで、あなたが最も誇りに思っているものをいくつか挙げてください。
当社のリンク追跡プラットフォームは、すでに過負荷状態であったサーバー1台で稼働する地味な実験から始まりました。可能性はすぐに明らかになりました。私たちは劇的に容量を増やし、時間をかけて最新の脅威からお客様を守るために多くの機能を追加し、今日の高度なプラットフォームへと進化させました。
最近では、電子メールのスキャンにOCRを使用し、一部の脅威に対処しています。これは、ルールとシグネチャを本番環境全体に1秒以内でプッシュできるという、以前のイノベーションの恩恵を受けています。
あなたは世界で最も要求の厳しい多くの有名企業のためにセキュリティソリューションを開発していますが、彼らから得た情報から判断して、どのようなトレンドがシマンテックの製品ロードマップに影響していると思いますか?
大企業のお客様は、自社のセキュリティチームを持っていることが多く、当社がブロックする脅威について、より深い知見を求めています。また、そのようなお客様は、カスタムポリシー、ルール、ヒューリスティックを提供する機能など、より多くのカスタマイズを求めていることもあります。これをマルチテナント環境で高いパフォーマンスで安全に実装するのは難しいことですが、それが私たちの仕事です。
これは別の問題にもつながります。最近、あるお客様を担当したのですが、そのインフラストラクチャ全体のとんでもない複雑さに唖然としました。ベンダーが多く、オンプレミスとクラウドが混在し、データ量に至っては気の遠くなるような量でした。当社の製品は、既存の管理作業の負担を増やさないために、互いにシームレスに統合する必要があります。当社製品の新機能が、不要になった他の製品を削除することによって、お客様のインフラストラクチャの簡素化に役立つかどうかを判断するため、定期的なアカウントレビューが重要です。
シマンテックが提供している機能のなかで、その働きに気付いていなかったお客様が、気付いたときに心から驚くような機能はありますか?
マネージドフィルタリングサービスを運営する上での課題の1つは、私たちが正しい仕事をすれば、私たちの姿が見えなくなるということです。脅威がお客様の受信ボックスに届く前に、特定されてブロックされるからです。もちろん、当社はレポートと統計情報を提供しますが、ストレスの多いITチームにはもっと緊急の優先事項があることが多いのです。
セキュリティの分野では、私たちは積極的な攻撃者と戦っていますが、これはまた別の問題を引き起こします。私たちは、製品の内部構造についてどの程度公開するか、慎重に決める必要があります。当社の技術を紹介することはすばらしいことですが、貴重な企業秘密を漏らして製品の有効性を損ねることは避けるべきです。
よく「心底驚かれる」のは、当社のリンク追跡プラットフォームがシマンテックの高度なウイルス対策技術と緊密に統合することで、さまざまなクラウドサービスにホストされている文書の中の脅威を検出し、その情報を1秒もかからずに当社のスキャンインフラストラクチャに配信することです。サードパーティのウイルス対策エンジンのライセンスを取得しているベンダーは、多くの場合、そのエンジンとの統合は限定的です。一方、シマンテックは数十年にわたる投資の成果を最大限に活用しています。
あなたにとって、革新者であるということは何を意味しますか?
私にとって革新者とは、文化的な障壁や技術的な障壁を打ち破り、カスタマーエクスペリエンスを向上させることです。イノベーションは、単に新しくて派手で輝いているだけのものではありません。お客様の役に立つとは限らない危険な邪魔ものになる可能性もあります。多くの場合、イノベーションを達成するためには、「そんなことはできない」とか「あなたが提案していることは難しすぎる」といった根強い固定観念に挑戦し、それを打開しなければなりません。
革新者として、私たちはお客様のために存在しているのだということを人々に思い出させる必要があります。エンジニアは往々にして完璧主義的な傾向があるため、製品をひたすら磨き上げ、微調整を続けたがる一方で、その仕事がお客様のためになるかどうかを問うことを怠るという罠に陥りやすいものです。チーム間に、時代遅れで害になるライバル意識が割り込む場所はありません。代わりに、団結してカスタマーエクスペリエンス向上のために協力しなければなりません。
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